「好き」を続ける美学。

北海道新聞の一面に掲載されている『卓上四季』をご存知ですか?

日々の時事問題について、様々な識者が綴る人気のコラムです。
当ステーションの利用者様でもあるSさんは、なんと7年あまりもの間
『卓上四季』の書き写しを続けてこられました。
そして、ご病気を経て
利き手での書字動作ができなくなった現在も、
元気な方の左手で鉛筆を握り、百人一首や流行歌の歌詞の書き写しに取り組んでおられるのです✨

A4版サイズのこのノートは、『卓上四季』の切り抜きを貼り付けて、560字あまりのマス目を書き写して埋めていくというもの。
北海道新聞の販売所などで入手できるもので、熱心な愛好家も多く、書写に取り組む人たちの「卓上四季の集い」というイベントもあるそうです。

訪問させていただいている私たちがSさんから受けた印象は、
とにかく控えめできちんとされた、堅実な女性。
でも基本的には、強い人。
一字一字を丁寧に、毎日書き写す作業というのは、根底に強い意志がないとなかなか出来ないことですからね!

そして驚くなかれ、この神がかった達筆!!!


年齢を重ねるにつれ、今後も様々な出来事や試練があるはずですが、
きっとSさんは、ご自分が積み重ねてきた80冊以上の宝の山を目にするたび、
自信と誇りを持って乗り越えていかれるのでしょうね。
またSさんの場合は、旦那様が健康のために新聞配達をしておられた時期に、奥様のために毎月このノートを購入して渡されていたとか。

積み重なるノートは、好きなことを毎日続けたSさんの勲章であり、夫婦愛の象徴でもあるんですね✨☺️

ちなみに……リハビリを担当させていただいている不肖わたくしめは、
Sさんがこれほどの達筆であったという事実を

つい最近になって知りまして。😱

それまでは、書字の取り組みの際に
書道なんか習ったこともない、きったない字を書いては
「はいSさん、こちらをお手本にして書いてみてくださいね〜😁」
などと言ってたんですよ

嗚呼、
穴があったらドロンしたい(古)。

「好きなことに打ち込む」
「自分に日課を科して続ける」

こうした作業は、単純に「楽しい♬」というだけでなく、
たくさんの「良いこと」を生み出します。

・心身ともに日中の活動量が増し、生活リズムが整う。
・継続して日課をこなすことで無為な時間が減り、タバコ、お酒、ギャンブルなどへの過度な依存が抑えられる。
・仕上がったものを見返したり、誰かに見てもらうことで気持ちにハリが生まれる。
・取組内容により、身体機能の維持、認知症の予防効果が期待できる。

ぜひ、皆さまの大好きな作業をコツコツ続けてみましょう!
何歳からだって遅くないし、
どんなものでも自由です。
これからも、宝の山を拝見できるのを楽しみにしています✨

※本ブログでご紹介させていただいている利用者様の記事については、ご本人及びご家族の許可を得て掲載しております。